妊娠中、こっそり悩んでいるママ、多いのではないでしょうか。
「痔」── THE 妊婦のマイナートラブルに。
出産後、痔の症状に悩まされた経験があります。
妊娠中、こんなものあったかなあ?とトイレのたびに思いつつも、日々重たいお腹で過ごすことに必死すぎてそこまで意識が向いてませんでした。しかし、
妊娠中の痔の罹患率は44~80%もあるんです。一般的な有病率は21.6~50%なので、いかに多いかわかるかと思います。
かく言う私も出産後、急に腫れて、トイレットペーパーが当たる度、下着が擦れる度に痛みを感じました。もちろん、縫われた部位が痛いんですが、そことは違うところが痛い😰
「こんなところまで痛くなるの!?」とびっくり。「あれ?妊娠中に気になってたやつって痔?」
看護師さんにみてもらうと、「まあ!痛そうな痔ね〜、すごく腫れてるわよ。」と言われてさらに
「え!?」状態
でもこれは、妊娠中にはよくあることなんです。
特に多いのが「血栓性外痔核」と呼ばれるタイプ。
これは突然、腫れと痛みが出て、本当にツラい…。
妊娠・出産で痔が悪化する原因として、
- 子宮による圧迫で、痔の静脈が滞留してしまう
- 循環血液が増えることで痔に流入する血液量がアップ、痔も腫れてしまう
- 増大した子宮が腸を圧迫することで起こる便秘→りきみが増える
- よプロゲステロンなどのホルモンによる血管の拡張
- 妊娠によって起こる食生活の変化・運動不足などによる便秘の悪化
- 授乳中は母乳に水分を取られ、便がさらに硬くなり、肛門の皮膚が切れてしまう
ということが挙げられます。
でも、軟膏を塗ることや座浴(ぬるま湯でおしりを温めること)などの治療で、
ピークを過ぎると徐々に良くなる場合が多いんです。
妊娠中でも、短期間であればステロイド入りの軟膏を使うことも可能です。
妊娠中にステロイドなんて・・・。
と抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、痛みが母体のストレスになり、お腹の赤ちゃんに影響があると考える産婦人科医が多いそうです。痛みなどで気になる方は主治医に相談してもいいかもしれません。症状が落ち着いてきたら、ステロイドなしの軟膏に切り替えればいい話ですし。
また、注入タイプの軟膏は、症状が落ち着いたら無理に続ける必要はありません。
よく使われる痔への塗り薬は
- プロクトセディル坐剤・/ヘモレックス軟膏
- 強力ポステリザン軟膏
- ボラザG坐剤・軟膏
があげられます。ボラザG坐剤・軟膏のみがステロイドを含んでいません。それぞれの痔のある場所に応じて、注入や塗布をします。
また、便が硬い・便秘の方は便秘薬を処方してもらうことで、無駄な力みも減るため、痔の悪化も抑えることができます。治療薬としては、
- 酸化マグネシウム(マグミット):便を柔らかくする
- ピコスルファート(ラキソベロン):大量投与で、子宮収縮→流産・早産の危険がある刺激性下剤の中では、副作用が少なく妊娠中の処方も多い。耐性リスクがあるため、使用は週に1~2回に抑える
- 炭酸水素ナトリウム(新レシカルボン坐剤):直腸内で二酸化炭をを放出、刺激となし排便
- マクロゴール4000(モビコール配合内用剤LD/HD):腸管内の水分量を増やすことで便を柔らかくする・腸の蠕動運動を促す
が挙げられます。
そしてもうひとつ、聞き慣れないかもしれませんが、
痔が治ったあとに「スキンタグ」という余分な皮膚のたるみが残ることがあります。
これは、たとえば風船がしぼんだような状態で、軟膏を塗っても小さくはなりません。これが厄介なことに、痔が治った後にできるということです。
産後、私は「うーん?痛い?」と思いながら1ヶ月検診まで痔があったところに塗り続けていましたが、
検診の際に「痛いのは切開したところの糸が突っ張ってるところだね〜」と言われ、「ありゃ?そうなんだ〜。痔は治った?でもなんかあるよね・・・」と思った記憶があります。
今となっては「検診の時に痔らしきもののことについて、もう少し聞いておけばよかった・・・!」と後悔しています。ひょっとしたらスキンタグかも?と思いながらお付き合いしています。
実際、スキンタグが残る女性って6〜7割もいるんだとか
もし、産後でスキンタグが残っており、気になる場合は、外科的に取り除くという選択肢もあるので、専門の先生に相談してみるのもいいかと思います。
私自身もスキンタグかも?と思いつつも、でもそれが痔なのか、スキンタグなのか診てもらってないので、はっきりとはわかりません。共感してくださる方もいると思いますが、なかなか邪魔な位置にありませんか?
今は育児に追われていて後回しになっていますが、
いつか心と時間に余裕ができたとき、切除できないか病院に相談してみようかな…と思っています。ただし、一般の肛門外科医は積極的にスキンタグを切除したがらないそうです。
なぜなら、再発する可能性があること、切除した後になかなか治らないなどを経験しているからだそうです。
ですので、美容外科では切除を謳っているところもありますが、予後を考えると、美容外科で安易に契約をすることは勧めません。気になるなら、必ず専門医に診てもらってください。