妊娠がわかると、まず心配になるのが「薬って飲んで大丈夫なの?」ということ。
まず初めに、薬の使用にかかわらず、妊娠には一定のリスクがあるんです。
これは健康な妊婦さんでも起こりうること。
だから、「薬を飲んだから何か起きたんじゃ…」と自分を責めないでほしいなと思います。
薬の影響って、いつが一番気をつけるべき?
妊娠中の薬の影響は、「いつ飲んだか」によって変わります。
妊娠3週ごろまで(着床期)
薬の影響で妊娠が継続できなければ流産になりますが、継続していれば影響は修復されるとされています。つまり、この時期に使用した薬の影響は先天異常という形で現れることはない。ただし、身体の中に長く留まる薬では当てはまらない場合があります。
妊娠初期(4~13週)
赤ちゃんの脳・心臓・手足などの器官が形成される大切な時期。この時期に催奇形性(奇形を起こす作用)のある薬を使用すると、先天異常のリスクが高まることがあります
妊娠中期以降(14週以降)
器官は完成していますが、子の成長や機能に影響を与える薬・羊水過小を引き起こすような薬には注意が必要です。
たとえば…
- ACE阻害薬・ARB(高血圧の薬) → 胎児の腎機能障害や羊水過少
- NSAIDs(ロキソニンなど) → 妊娠末期に使うと、胎児の動脈管が早く閉じてしまうリスク(心不全や高血圧をきたす)
薬=NGではない。大切なのは「母体の病気のコントロール」
薬を使うとき、どうしても「赤ちゃんへの影響」が気になってしまいますよね。
でも、お母さんの体調をきちんと整えることも、赤ちゃんにとってとても大事なことなんです。リスクと効果どちらを優先するかはその病態によっても異なります。
例えば…
- バルプロ酸(てんかん・片頭痛予防に使う薬)
→ てんかんの患者さんには必要な薬なので、服用を続ける可能性があります。ただ、片頭痛予防であれば、他の薬に切り替え、安全な選択肢をとります。病気の程度によっても対応が異なるから難しいですよね。
妊娠を考えている・妊娠中に薬を使っている方へ
そんな時は、自己判断せず、必ず主治医に相談してくださいね。
特に、母親の疾患をコントロール不良になることで、胎児の成長悪化にもつながるケースもあるので、必ずしも「薬を使う=悪」という訳ではありません。
薬のことは、ひとりで悩まないで。
妊娠中も、安心して過ごせるように、正しい知識と専門家のサポートを頼っていきましょう。
気になる方は、国立成育医療研究センターのWebにて問診→近くの病院にて相談ということもできますので、気になる方はこちらのホームページを見てみてください。