妊娠中、「何を食べるか」「どんな栄養を意識するか」は、未来の自分と赤ちゃんへの大切なプレゼント。
今回は、妊娠期に欠かせない「鉄」と「カルシウム」について、実体験を交えながら詳しくお伝えします。プレママさん、妊活中の方、ぜひ参考にしてくださいね。
妊娠中に重要なミネラル①:鉄
鉄は、全身に酸素を運ぶ大切なミネラルです。細胞の増殖・生存、そして脳内の神経伝達物質の合成にも不可欠な存在。妊娠中は赤ちゃんにも酸素や栄養を届ける必要があるため、血液量は大きく増加します。
ところが、循環血液量の増加が赤血球の増加よりも大きいため、Hb(ヘモグロビン)値は一時的に低下し、いわゆる「生理的貧血」が起こりやすくなります。
鉄欠乏によるリスク
妊娠中の鉄欠乏性貧血は、早産や低出生体重児のリスク増加と関連していることが分かっており、サプリメントや鉄剤での補給が重要とされています。
私の実体験
かくいう私も、妊婦健診で「軽度の鉄欠乏」に引っかかってしまい、鉄剤を処方されました。正直、食事には気を遣い、ほうれん草や小松菜、赤身肉などを積極的に摂っていたにも関わらず・・・。ショックでした。まあ、仕方ないと思いながらも服用を開始しました。
でもこの鉄剤、なかなかクセモノ。まず便が真っ黒になるのにびっくり。これは薬の色素。問題ないので、安心してください。あとは、よく言われている副作用は便秘。結構聞くので、元々便秘体質の方は気にしておいた方がいいかもしれません。

逆に下痢になる、というのもよく聞く話。
私はもともと快便体質だったのですが、飲み始めた途端にまさかの下痢…。深夜に突然トイレに行くことになり、朝・昼・おやつタイムと、日に何度もお腹がゆるくなってしまい大変でした。
最初は1日2回(朝・夕)2錠ずつ飲んでいたのですが、あまりにも辛くなったため、1錠ずつに自己調整。私は薬剤師なので副作用とわかりましたが、体調に異変を感じたら、必ず主治医に相談してくださいね!
あと、この話を母にしたところ、母も鉄剤で下痢になったことがあるそう。子どもは母親の腸内細菌叢をもらうので、子である私も下痢になったのかも?とも思ったり。
機会があれば、自分が生まれる前に母親に鉄剤を服用した時どうだったか、ひょっとしたら同じようになるかもしれないので、聞いてみてもいいかもしれませんね。
妊娠中に重要なミネラル②:カルシウム
カルシウムは、体内で最も多く存在するミネラルであり、骨や歯の形成だけでなく、筋肉の収縮や神経の働きにも関与しています。
妊娠中や授乳中は、カルシウムの吸収率が高まるため、「普段通りの食事でOK」とされがちですが、これはもともと十分な摂取ができている場合に限ります。
カルシウム不足の影響
20〜30代女性の推奨摂取量は650mg/日。
これを下回ると、妊娠高血圧症候群のリスクが高まるとされているため、意識的に摂取したい栄養素です。
また、骨の形成にはカルシウムだけでなく、マグネシウム・亜鉛・リンのバランスが大切。ただし、リンだけ過剰に摂るとカルシウム吸収を妨げてしまうので注意が必要です。
特に、ハムやソーセージ、清涼飲料水に含まれるリンは摂りすぎに要注意です。
まとめ|栄養は「赤ちゃんとママ」へのギフト
妊娠中は、自分の体だけでなく、赤ちゃんの健康を支えるためにもバランスのとれた栄養摂取が大切。
鉄・カルシウムは、ママと赤ちゃんの未来にとってとても重要な栄養素です。無理なく、でもしっかり意識して、毎日の食事に取り入れていきましょう。