【薬剤師が解説】トクホ・機能性表示食品・栄養機能食品の違いとは？

スーパーやドラッグストア、通販サイトで食品を選んでいると、「トクホ」や「機能性表示食品」といったマークや表記を目にしたことはありませんか？

これらはすべて「保健機能食品」と呼ばれ、健康の維持・増進に役立つことが期待されている食品です。でも、それぞれにどういった違いがあるのか、少し分かりづらいですよね。

今回の話のまとめはこちら。

こちらの画像は消費者庁ウェブサイトを参考に私が加工を行ったものになります。

わからない、という方のために今回は薬剤師の目線で、それぞれの違いや選び方についてわかりやすく解説します。

薬ベビ

ちなみに、僕が飲んでるミルクは特別用途食品の１つなんだって〜

保健機能食品ってなに？

保健機能食品とは、国が定めた制度のもと、健康の維持や増進に役立つ機能を表示することが許された食品群のこと。

主に以下の3つに分類されます。
• 特定保健用食品（トクホ）
• 機能性表示食品
• 栄養機能食品

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

特定保健用食品、通称「トクホ」は、国が審査を行い、消費者庁官が許可を行っている食品です。保健機能の効果について、ヒトでの臨床試験が行われており、科学的根拠に基づいて効果が認められたもののみが表示を許されています。

特定保健用食品のポイント

「高血圧が治る」や「食後の血糖値を低下させる」といった表現は薬機法という法律で表現はNGとなっているよ。あくまで食品としての表現の範囲内でしか表示できないよ。

薬ママ

代表的な成分には、オリゴ糖、難消化性デキストリン、茶カテキン、ラクトトリペプチドなどがあります。

さらに、トクホの中には「疾病リスク低減表示」が認められている商品もあります。これは、医学的・栄養学的に科学的根拠が確立されており、特定の疾患リスクを下げる可能性を明示できるもの。

現時点では、カルシウムを含む食品が「骨粗鬆症のリスク低減」に関する表示を許可されています。

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機能性表示食品は、企業の責任で科学的根拠に基づいた機能性を表示できる食品です。販売前に、消費者庁に届け出を行えば、個別の許可を得ることなく販売することができます。

科学的根拠には、ヒト試験だけでなく、複数の論文を評価する「システマティックレビュー」も使うことができます。そのため、トクホと比較して企業側のハードルは低めです。

機能性表示食品のポイント

表示例をよく見ると、「あります」か「報告されています」かで根拠の違いがわかるようになっています。

栄養機能食品は、ビタミンやミネラルなどの栄養成分の補給を目的とした食品です。科学的根拠がすでに確立している栄養素について、一定量を含んでいれば、国への届け出なしに機能を表示することができます。

ただし、トクホや機能性表示食品のように「健康に良い」などの保健効果の表示はできません。

栄養機能食品のポイント

栄養成分には、ビタミンA・B群・C・D・E、カルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛、葉酸、n-3系脂肪酸（DHAなど）などがあります。栄養素ごとに、上限・下限の基準も定められています。

種類	許可・届け出	科学的根拠	主な特徴
特定保健用食品	消費者庁の許可制	ヒト試験が必要	国の認可
機能性表示食品	消費者庁へ届け出	ヒト試験or文献評価	表示文に「報告されています」など注意
栄養機能食品	届け出不要	既に確立した成分	ビタミン・ミネラル補給が目的